観劇記録

劇団壱劇屋東京支部【嗣ノ導 -しのしるべ-】 観劇記録・感想

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劇団壱劇屋東京支部さんの 嗣ノ導 -しのしるべ-(# 嗣ノ導)についての記事です。

既に観劇された方や気になっている方の参考になれば!

本記事には作品のネタバレが含まれています。
本作未見の方はご注意ください。
※ネタバレを含む感想パートと、未見の方向けの情報パートを分けて記載しています。

ネタバレなしゾーン

はじめに

観劇のきっかけ

壱劇屋東京さんの作品が純粋に好きで、毎回楽しみにしています。
今回は最新作ということで、チケットを取りました。

観劇前のイメージ

本作の前日譚となるワードレス殺陣芝居『回ノ導』も観劇していたので、物語がどのように繋がっていくのか、とてもワクワクしていました。(『回ノ導』の感想はこちら

また、『階段世界』シリーズの伏線回収が本当に見事だったので、今作でもどんな展開が待っているのか非常に楽しみにしていました。

舞台概要

公演の基本情報

画像引用元:劇団壱劇屋東京支部公式サイト
https://www.ichigekiya-east.com/next/7%E6%9C%88%E5%97%A3%E3%83%8E%E5%B0%8E-%E3%81%97%E3%81%AE%E3%81%97%E3%82%8B%E3%81%B9

公演名:嗣ノ導 -しのしるべ-
劇団名:劇団壱劇屋東京支部

会場:こくみん共済 coop ホール/スペース・ゼロ
期間:2026年7月2日(木)~2026年7月5日(日)
上演時間:約180分(途中休憩込み、2幕構成)
ジャンル:殺陣アクション

・演出・殺陣構成:竹村晋太朗

チケット料金
最前列(特典付):9,500円
SS席(特典付):9,000円 
S席:8,000円
A席:7,000円
B席:6,000円
お試シート:4,500円
車椅子席:7,000円(メール受付)
学生席:3,500円 ※各回席数限定/小学生以上24歳以下の学生のみ入場可

出演 (敬称略):
玉城裕規/松井勇歩

竹村晋太朗/西分綾香/柏木明日香/藤島望/岡村圭輔/小林嵩平
丹羽愛美/黒田ひとみ/八上紘/雨宮岳人/伊鶴由貴/今泉春香

谷口布実/日南田顕久/栗田政明(KLC)/栗生みな/澄華あまね

石井良太/イワセイクエ/熊野ふみ/佐竹正充/大谷海仁/大西敦司/奥住直也/小野裕大/柿本龍星/東風東/田中来夢/松下詩温/芳澤美鶴歩/岩瀬守志/川上雄也/國重楓/庄司ゆらの/三巴麗佳/山本晃樹

スタッフ (敬称略)
脚本・演出・殺陣構成:竹村晋太朗/舞台監督:新井和幸(箱馬研究所)/ 堺博人(S-CASE)/演出部:木原歩/照明:小野健(NEXT lighting)/音響:椎名晃嗣(NEXT lighting)/サンプラー:大谷健太郎(S.H.Sound / BS-II)/サンプラー補佐:長谷川桂太(劇団壱劇屋)/衣装:車杏里/衣装進行:佐久間のぞみ/ヘアメイク:KOMAKI(kasane)/舞台美術:愛知康子/宣伝美術:コウノサチコ/小道具:劇団壱劇屋/グッズ製作:劇団壱劇屋/当日運営:伊藤彩奈(MICOSHI COMPLEX)/写真撮影:河西沙織(劇団壱劇屋)/劇団制作:西分綾香(劇団壱劇屋)

企画・制作:劇団壱劇屋東京支部
主催:株式会社GOSAI

作品のあらすじ


時代背景:古代中国風

戦火が絶えぬ世界。

幾百年にもわたり、争いは終わることなく続いていた。

そんな時代に、ひとつの予言がもたらされる。

「100年後、この小屋から現れる少年が世界を平和へと導く」と。

真偽すら定かではないその言葉。

半信半疑のまま、来るべき未来へと身を委ねた。

それはどこにでもあるような名もなき小屋。

そこに、ただ一人の【小屋守】が置かれた。

小屋は常に戦場の傍らに在り、幾度となく戦火に呑み込まれる。

それでも小屋守たちは剣を取り、いつか訪れる平和を信じてその場所を守り続けた。

やがて時は流れ、役目は血と共に受け継がれていく。

幾つもの戦乱、幾つもの別れ。

出会い、愛し、命を繋ぎ、それでもなお彼らは戦場に立ち続けた。

これは、未だ見ぬ未来のために命を賭して小屋を守り続けた者たちの、幾世にもわたる戦いの記録である。

引用元:劇団壱劇屋東京支部公式サイト
https://www.ichigekiya-east.com/next/7%E6%9C%88%E5%97%A3%E3%83%8E%E5%B0%8E-%E3%81%97%E3%81%AE%E3%81%97%E3%82%8B%E3%81%B9#h.73eurnnmosp5

!!!以下ネタバレあり!!!

舞台について

セット・演出について

今作は高さのあるセットをガシガシ動かすのではなく、小さな小屋や、上手・下手に設置された櫓のような高い構造物、立方体の箱などを中心としたセットでした。

小屋は回るし壁は消えるしで、舞台ながらも客席にいながら映画のカット割りを見ているような感覚になり、とても印象的でした。

また、合戦のシーンが凄すぎました。
圧倒的な人数量と熱量。圧倒されました。

会場に展示されていたセットの模型

衣装について

みなさん中華風の衣装がとても素敵でした!
以前から思っているのですが、壱劇屋東京さんの衣装は毎回おしゃれで、本当に素敵だなと思います。
赤橙と黄橡の衣装がお気に入りです。

ストーリーについて

今作は、長い年月をかけて意思を受け継いできた「小屋守」たちの物語でした。

1幕ラストでは思わず唖然。
「ここで終わるの!?」というタイミングで幕が下り、赤橙の行く末が気になって仕方ありませんでした。
あまりにも、あまりにも赤橙に救いがなさ過ぎて「あんまりだろ・・・」と思わず唸ってしまいました。

2幕では、過去から現在へと繋がる想いが丁寧に描かれていて、思わず何度も涙がこぼれました。
まさに「えにし」が見える物語で、長い歴史を見届ける観測者になったような気分でした。

100年という、人間にとっては長い時間。
その間には舞台で描かれた出来事だけではなく、彼らが積み重ねてきた何気ない日常もきっとあったのだろうと思います。
そうした日々に思いを馳せながら自分自身も、今ある日常を一日一日大切に積み重ねていきたいと感じました。

キャラクターについて

どのキャストさんも凄く素敵で印象的でしたが、ここでは特に個人的に印象に残ったキャラクターについて書いています。

赤橙せきとう(玉城裕規さん)

二代目小屋守。

立派によい子に育って……。涙
赤朽葉を「父さん」と呼んだ時に、「回ノ導」の出来事がフラッシュバックして初手から泣きそうになりました。
赤朽葉が身を挺して救った命。そして凶星に乗っ取られた身体。それでも立派によい子に育って……。涙(二回目)

一幕ラストで小屋へ放たれる火の矢が凶星のようにも見え、「凶星の呪いはまだ終わっていないのか」と感じました。
彼が青鈍の身体を乗っ取る事が出来たのは凶星の力が残ってるからかなとか思ったり。

将軍との再会で見せた表情はとても印象的で、一瞬で過去の出来事が蘇ったように見えました。
このシーンは、今でも強く焼き付いています。(お芝居ってすごい。)

二幕では、生きてはいなくても存在してくれていたことに救われました。
白髪はくはつがとても神々しく、平和のために敵となる姿には胸を打たれました。なんていう人だ。

安らかに眠れますように・・・。

赤朽葉あかくちば(竹村晋太朗さん)

初代小屋守。

前作ではノンバーバル作品だったこともあり、優しいけど不器用で、どこか粗暴な印象を受けていました。
だからこそ今作で初めて言葉を発した時の柔らかい話し方には驚きました。

もしかして赤橙と出会ってから変わっていったのかな、と想像してしまいます。
戦い続け、多くを失ってきた人生だからこそ、本当に報われてほしいと思いました。

回ノ導から彼の軌跡を追う事が出来て良かったです。
赤橙と仲良しでよかった・・・。

黄橡きつるばみ(日南田顕久さん)

三代目小屋守。

「許さんぞ!!」という気持ちと、「でも元をたどれば高官(蒙會もうかい)が悪いんだけど……」という気持ちがずっとせめぎ合っていました。

それでも結局、子どもである緑風を自らの贖罪のために利用してしまっているので(というか贖罪のためにわざわざ産ませたという外道さ)、「やっぱり許さんぞ!!」に戻ってきます。苦笑

でもきっと、赤橙が亡くなってから本当にずっと苦しんでいたんだろうなと思うと、なんだかやるせなくなるキャラクターでした。

緑風りょくふう(谷口布実さん)

四代目小屋守。

戦い方が爽やかで美しい!まさに風を感じる綺麗さでした。

親の言いなりになりながらも腐らず、まっすぐ成長した姿が印象的でした。
任を全うして、幸せになれたようで本当に良かったです。

青鈍あおにび(西分綾香さん)

五代目小屋守。

ガチ泣き。運命が惨すぎる・・・。
武力を持たずとも自分にできることを最後まで全うし、決死の想いで未来へ想いを繋ぎ続けた。
書いてる今も涙が出てきます。

自分がもしあの立場に立ったとして、果たして立ち向かえるか?・・・難しいと思います。
高尚な精神の持ち主、とてもかっこよいです。

そしてそのすべてを赤橙と幼い青君が知っていたことが、第三者として見ているこちらにとっては救いでした。
そして、その想いが姫へと受け継がれていく流れも本当に素敵でした。

青君せいくん(黒田ひとみさん)

六代目小屋守。

緑風と桜雅の子供。まっっっすぐな少年。平和の想いを掲げる不殺の剣士。

青鈍の遺志を継いで、役目を全うするために過去の小屋守たちと対峙するラストの戦いは、めっちゃ心に刺さりました。
頑張れ!!!って凄い応援していました。

黒田さんの全力感が大好きなので、とても嬉しかったです。

湖泉こせん(藤島望さん)

赤橙の幼馴染。赤橙の他に生き残りがいたとは・・・嬉しかったです。

初代~四代目の小屋守を支え続けた人。
緑風ちゃんが腐らなかったのは湖泉さんの尽力があってこそなのかなと思ったり。
そう思うと彼女は小屋守の守護者なんだろうなと。

そして、声が大きい女性は可愛い!
あと藤島さんの巻き舌が大好きです。笑

いわ(小林嵩平さん)

三代目小屋守代理。

黄橡の第二の保護者のような存在。
小屋守不在時の敵襲から必死に小屋を守り続けた人物。

赤朽葉との出会いから言葉や狼煙のあげ方を覚えはじめ、最終的には狼煙職人として生きていく。助かって良かった・・・
最終決戦では岩の姿もあって泣けました。代理といえど普通に小屋守だもんね・・・

幸せそうにめっちゃ笑顔でおにぎり食べてるの、こっちまでニコニコしちゃいました。
前日譚で小林さんは「凶星」としてめちゃくちゃにやっていましたが、岩と星の関係を見出すのは邪推でしょうか。

桜雅おうが(岡村圭輔さん)

緑風の旦那さんになる人物。

最初は定時で緑風を訪れ、腕試ししていく謎の人物でしたが、窮地の小屋を救い緑風をお嫁さんにもらい受ける。
互いに認め合う存在で小屋守の任に着く。

こうしてみると緑風は周りの人に恵まれたのかもなと思います。
2人とも幸せに暮らしているようでよかったです。

めぐる(栗生みなさん)

栗生さん、WIREINSATSで観た印象とは全く違い、人知を超えた存在感に圧倒されました。

一幕では予言を現実にしようとしているのか、自身の神格と関係があるのか……など様々な考察が浮かびました。
しかし二幕では印象が大きく変わり、WIREINSATSのはじめさんを思い出すような魅力的なキャラクターでした。

配下の兵が顔を隠しているのも人外らしさがあって好きでした。
術かなんかで操っているのだろうか。

久地菜くちな(澄華あまねさん)

神州連合国しんしゅうれんごうこくのお姫様。

青鈍の想いを継いで平和へと舵を切るキャラクターの一人。

可愛い!!
澄華さん、BABELでは個人的にとても怖い役柄だったので、今回は天真爛漫なおてんば姫として見ることができて嬉しかったです。

あと最初のてんも演じているらしく、気が付かなかったくらいギャップがありました。
俳優さんって凄いな・・・

武大君ぶだいくん(栗田政明さん)

峻極国しゅんごくこくの超強い将軍。
小屋守との確執に囚われ、自我を忘れても幾度も襲撃を重ねる。最早呪いですね。

腕がなくなっても、死を超越しても襲い掛かってくる。
反則ですよ!!!!殺陣とアクションがかっこよすぎます。

普通、両手無くなったら戦えないでしょう・・・でも武大君将軍なら戦えるんですねー。
足に刃物を付けた戦闘スタイルで舞う姿、本当に超越していました。
超級のスタミナ、強靭な体幹。腕を使わない蹴り凄すぎます。

何度もフォルムチェンジして襲い掛かってくる姿は「絶望」以外の何物でもありませんでした。
青鈍の言葉に刺されてから、平和を創る側になったことにはとてもびっくりしました。
自らを縛る呪いから、解放されていると良いなと思います。

天郭王てんかくおう(松井勇歩さん)

豊栄国ふえいこくを治める王様。

高官たちの反発にも負けず、自らの信念で進む王様。
予言を無条件に信じるのではなく、「平和」という目標のために「予言を信じたい」、そして信じるために行動をするというスタンスがかっこいいなと思いました。

赤朽葉を亡くした時は本当に自責の念に苛まれたのだろうなと思うと、苦しい気持ちになります。
でもその自責の念に溺れることなく、小屋守を継がせるという判断をした信念の強さが最終的に平和への一歩になったのが素敵でした。

印象に残ったシーン

宴と岩の戦いのシーン

黄橡の宴と、岩が小屋守代理として戦っているシーンの滑らかな切り替えが凄い印象に残っています。

黄橡の愚かさが見える楽しそうなシーンと、岩の必死さが見える窮地のシーンがとてもスムーズに入れ替わる事で情緒の上下が激しくなりました。対比がさ・・・

すべてを見ている観客側の視点ではもうハラハラで・・・

最終決戦

歴代小屋守と三国の最終決戦。
青君と赤朽葉が戦う時に、赤朽葉が青君の背中をポンと叩くシーンでめっちゃ泣きました。

「平和」を創るために歴代小屋守たちの「総意で」現職の小屋守と戦う。
その戦いの中で歴代小屋守たちが各々、青君へ思いを託していく姿が本当に良かったです。
この文章書いている今も思い出して泣いてます(何回泣くんだ)

血と意志で永く嗣いできた「平和」への想いの集大成が目に見えて圧倒されました。
大好きなシーンです。

その後の小屋守たち

過去の小屋守たちの襲撃は定期的に起こり、やがて止んだ。
止んだのは彼らという脅威が存在せずとも、平和が保たれたからだろうか。

平和である限り、彼らが忘れ去られて、ようやく眠れるのかな。。
というより、「おまもりさま」(名称はうろ覚え)として戦いとは無縁の「平和の上の日常」に関する神格を得たのだろうか?

どちらにせよ、あの世界の平和が悠久であり、彼らが報われて安らかに眠れることを切に願います。

まとめ

おわりに

本作は、小屋守たちが約100年にわたって受け継いできた「平和への想い」を描いた作品でした。

前日譚『回ノ導』で描かれた出来事がしっかりと繋がり、登場人物たち一人ひとりの選択や覚悟が現在へと受け継がれていく様子は圧巻でした。

派手な殺陣や美しい舞台演出はもちろん魅力的でしたが、それ以上に登場人物たちが積み重ねてきた日常や想いに心を動かされ、何度も涙がこぼれました。

壱劇屋東京さんらしい迫力あるアクションと、繊細な人間ドラマの両方を味わえる、とても素敵な作品だったと思います。
とても面白かったです!!

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