ネタバレ有の感想記事です。
はじめに
こくみん共済 coop ホール/スペース・ゼロ提携公演「WIREINSATS -ヴィアインザッツ-」(#ヴィアインザッツ)についての感想記事です。
劇団壱劇屋東京支部さん、最近よく拝見してます。
個人的ベスト舞台TOP3!【2025年上半期】の記事でも触れているんですが、面白い作品を作る劇団さんです。
今回も相変わらず面白かった・・・!
ちなみに、動く舞台でよくアナウンスされる「客席内涼しくなっております。羽織るものなどお持ちください」的な文言あるじゃないですか。
いうてそんな寒くないな~とか毎回思っているんですが、壱劇屋東京さんのこのアナウンスは「マジ」です。
もちろん人にもよりますが、寒い!!半袖だと死!!のイメージ。(個人の感想です)
なので皆さんも服装にはお気をつけを。(自戒)
- 舞台について
- 登場人物について
- イーロ(蒼木陣さん)
- カナン(古畑奈和さん)
- タジカラ(櫻井圭登さん)
- ノウズメ(星波さん)
- ジーノ(西分綾香さん)
- クライブ / クラフィ(鐘ヶ江洸さん / 楠世蓮さん)
- ナチャ(栗生みな さん)
- シャインボン(高田淳さん)
- シュバリエ(小林嵩平さん)
- モババ(岡村圭輔さん)
- 宇宙人(Ptジー29)(日永麗さん)
- ガストン・ファンボ(淡海優さん)
- 雲脚日和うんきゃく ひより / ジョス・チェッカー(柏木明日香さん / 椎名亜音さん)
- 膳所ぜぜはじめ(竹村晋太朗さん)
- アクションモブ(藤島望さん、丹羽愛美さん、日置翼さん、黒田ひとみさん、八上紘さん、雨宮岳人さん、伊鶴由貴さん、今泉春香さん、熊野ふみさん、佐竹正充さん、酒井昂迪さん、小野裕大さん、田中来夢さん、吉田時尋さん)
- 感想
舞台について
脚本について
1幕と2幕で「悪役」という存在の定義がひっくり返る、まさにパラダイムシフト。
180度見方が変わるキャラが多く、驚きの連続でした。
最後はいつも通り号泣。切なさの中に希望を見出すお話でした。
ただ本作の姉妹作品である「APOCADENZA」 は未見だったので、観てればより楽しめたんだろうな~と思うとちょっと悲しくなりました笑。(映像化されていないのでね。。)
あと前作の「二対一」でも出てきた「目から取り入れるドラッグのような図」が今作でも登場したのでちょっと驚きでした。
これで前作の万彩どの達は狂わされたんだよな~と思うと、なんか仇を見る目で図柄を見てました笑。
しかもこれ、ビューロの人間が流行らせているらしく!
12月の本公演で黒幕が明かされるんだろうか・・・楽しみです。
セット・演出について
相変わらずセットが凝っていて素敵!しかもよく動く!
今作はスチームパンクっぽくて特に好みでした。
人間CG、(勝手に人力エフェクトって呼んでます)本当に凄いです。
タイトルや「n日前」とかの演出ってセリフにすることも出来るはずなのに、あえて小道具を作ってエフェクトを顕現させているスタイルにこだわりを感じます。
特にn日前の日付が変わる瞬間の動きが好きでした。あれはまさにエフェクトの動き。。

登場人物について
イーロ(蒼木陣さん)
蒼木さん、別現場で何回も拝見した事があります。まさか壱劇屋東京さんで拝見できるとは!
相変わらずアクションが力強くてかっこよかったです。
イーロ、月の神様だったんですね。
優しくて、自分の無力に絶望して、泥臭く足掻いて、真っすぐで。
人間より人間らしい神様でした。
真実を取り戻した後の膳所父(はじめさん)との最終決戦は泣きました。
イーロは絶対にそんなことしたくなかった。殺したくなかった。
だけど、膳所父の想いを確かに受け取って救世主となる。
父の想いを無碍にはできない。下を向いてばかりはいられない、そんな気持ちになった。
この時のイーロの心中を慮ると苦しすぎる。
どうかあの世界が、優しい人が苦しまない平和な世界となりますように。。
カナン(古畑奈和さん)
悲しい。。
終幕の直前まで真実を知らなかったから、彼女目線ではあれだけ仲が良かったお父さんがお母さんの遺言によって変わってしまい、悪逆行為で人々から嫌われ、今度は別の星にまで手を出そうとしている。
そんな風に見えるよね。そりゃそうだ。
もちろん、お父さんは愛娘を守りたいからこそ真実を伝えなかった、というのは分かってるけど、カナンちゃんからしたらマジで辛すぎるよね。
お父さんの最期を見届けられたことは唯一の救いだとは思うけど。
これからも笑顔で生きていて欲しい・・・!
タジカラ(櫻井圭登さん)
膳所父のために、イーロのために悪役に徹する人工知能。
AIって言ってるけど、心があるなら人間と変わらないんじゃないか?という思い。
終盤、ノウズメが真実を叫んだことに怒った姿はもう人間だよなと。。
イーロとの戦闘シーン、めっちゃかっこよかったです。
ノウズメ(星波さん)
ビジュアル大優勝!!
戦闘スタイル、羽みたいな武器で優雅に戦うタイプか~とか思ってたらバチバチに肉弾戦もするの、かっこよすぎました。
タジカラと同じく人工知能ということで膳所父に造られたAIでしたが、膳所父が優しい人だから、優しさを持ったのかなと。
膳所父を想って叫ぶ姿は痛々しかった。守りたかったんだもんね。。
ジーノ(西分綾香さん)
ジーノ、健気で芯の強いキャラクター。
強大な敵に立ち向かう姿に心打たれました。
カーチェイスで運転してるシーン楽しかったです!
二対一の大典さんでも思ったけど、西分さんの駆け回って奔走するキャラ大好きです。
自分にできる事をやる!!という強い意志が感じられて、自分も頑張ろう・・・!ってなります。
クライブ / クラフィ(鐘ヶ江洸さん / 楠世蓮さん)
天才と名高い兄と残念な子である妹。
しかし実際は、天才は妹の方だった。
クライブは天才の妹が誰かに利用されないため、クラフィを守るために手柄を自分のものとした。
ヴァール教副司祭としての心労は計り知れないが、クラフィの心情を考えるともうちょっとなんとかしてあげられなかったのかなと。。
残念な子を演じ続けたクラフィもクラフィで絶対大変だったよね。。
膳所親子の関係と似ている気がする。
この一連の出来事がきっかけで、歪な溝が徐々に溶けていったらいいなと思いました。
幸せに暮らしてほしい。
ナチャ(栗生みな さん)
かわいい!!!本作の推しキャラです。
声がとても素敵な関西弁で喋る神獣遣い。
いるだけで場を和ませる、そんな柔らかさを感じるあたたかいキャラでした。
折れかけた心を奮い立たせるシーン、めっちゃ応援してました笑
シャインボン(高田淳さん)
清々しい程の暴君!でもなぜか嫌いになれない。
誰かに危害を加えるのが目的。という訳ではなく、あくまでも自分のために手段として他人を害するというスタンスだからなのか・・・?
「天使」にも媚びずに我が道を行く、ある意味での真っすぐさがとても良かったです。
そしてやはり殺陣が美しい。。
シュバリエのことを本当はどう思っていたのかは図りかねますが、シュバリエにとどめを刺されたときにシュバリエの肩を叩く(手を添える?)動作になぜかグッときました。
エールにも見えるし、実はシュバリエに殺されたかったのかな、なんて思ったり。。
シュバリエ(小林嵩平さん)
かっこいい!衣装がとても似合っていました。
主を殺した人に仕え、板挟みにあい、パワハラされる、、
考えただけで胃が痛む。そんな毎日を過ごしてきたであろう騎士団長。
最後は仇でもある現国王のシャインボンを討ち、復讐を果たした。
全てが終わったとは事務仕事をしているようで、のびのび仕事ができていることを願います。。
小林さん、終演後物販に立たれていたのですが「寡黙な」騎士団長をやっていた人とは思えないほどマシンガントークで物販の宣伝をされていてめちゃ笑っちゃいました笑。
とても賑やかで楽しかったです!(ちゃんと購入しました笑)
モババ(岡村圭輔さん)
ビジュアルが強い!SIRENの屍人っぽいお化粧で目力も強い!
上に媚びるタイプのThe悪役!という感じの悪役キャラでした。
利己的も行くところまでいけばかなりの強さになるし、残酷にもなれるんだなぁと。
そして「目から取り入れるドラッグのような図」また持ってるのかい!と笑。
尋問された後のことが気になります。。
宇宙人(Ptジー29)(日永麗さん)
1幕終わりで見た時、え!この人悪側なの!?って思ってたら実際は、膳所家族の事を見守る優しいお姉さん(宇宙人)でした。
前述の通りAPOCADENZAは観ていないのでどんなキャラなのかしっかりとつかむことはできませんでしたが、カナンちゃんに寄り添う姿が優しくて好きでした。
独りになってしまったカナンちゃんには仲間ができて、新しいその旅路をこれからも見守っていくのだろうか。
ちなみに「宇宙人」という存在については全く分かっておりません笑。姉妹作観ておきたかったなぁ。
ガストン・ファンボ(淡海優さん)
めちゃめちゃ窮地の時に駆けつけてくれる考察官。
めっちゃいいタイミングで入ってくる!
考察の「悪魔」と呼ばれる所以は本作だけでは分かりませんでしたが、考察している時の愉快そうに楽しんでいる様子とシゴデキな感じから、考察で誰かを傷つけた前科があるのかな??とか思ったり。
どちらにせよ今作ではめちゃ頼れる先輩でした。かっこいい!
淡海さんの殺陣めっちゃ好きなので、少しではありましたが見れて嬉しかったです。
雲脚日和うんきゃく ひより / ジョス・チェッカー(柏木明日香さん / 椎名亜音さん)
今作の主なビューロペア。
関係性めっちゃ好きです!
巻き込まれ体質の考察官と振り回されるジョス。
てんやわんやで忙しなく駆け回る時の爆発力にも似たパワフルさは色々と規格外すぎて面白かったです。
なんか、見るだけで元気になる二人組でした。
膳所ぜぜはじめ(竹村晋太朗さん)
やるせない。。
すっごい優しい人なんだろうな、、
自分以外の大勢を守るために自分を「共通の敵」にする。
どれだけ自分の心を鬼にしたのか。苦しかっただろうな、本当に、、
1幕最後で「神」として降臨した時の「あ!悪役だ!!!」と思った感情を思いっきりひっくり返されました。
悪になると決意する前のはじめさんの、優しそうな表情・声を思い出しただけで涙が出てくる。(この文字を打ってる今も涙目。)
決戦終盤、本当に死なないでくれ・・・って願ってました。
でも死なないとこれまで準備してきた計画は水の泡になってしまう。その覚悟を無碍にはできない。と相反する気持ちが自分の中でせめぎ合いました。
思ったけど、この一連の行動はもはや「神」の行動だなと。
彼の真の姿を知ってる人にしかその高尚さは伝わらないのがとてもやるせない。
どうかただ安らかに・・・
アクションモブ(藤島望さん、丹羽愛美さん、日置翼さん、黒田ひとみさん、八上紘さん、雨宮岳人さん、伊鶴由貴さん、今泉春香さん、熊野ふみさん、佐竹正充さん、酒井昂迪さん、小野裕大さん、田中来夢さん、吉田時尋さん)
運動量半端じゃないと思います。本当に皆さん凄い!!
人間CGの大部分を担いたくさん斬られて・・・
斬られたときの血しぶき(紙吹雪)大好きなんですよね。
めちゃめちゃ豪華な舞台になっていると思います。
感想
今作も面白かったです!切ない!!
APOCADENZA観たかったなぁ(n回目)
壱劇屋東京さん観始めてそんなに経ってないんですが、年に何回も公演打って下さっているので結構長い間見てる気がしてます笑。(全然そんなことない)
短い間隔で作品を観れることが本当に嬉しいですし、これからも楽しみにしております!
あとここで書く事ではないですが、壱劇屋東京さんの当パンにある登場人物紹介、めちゃありがたいです。
キャラ名とキャスト名だけではなく役のビジュアルまで乗っている。。
人の顔認識するのが苦手な自分にとっては予習・復習にも大変役立っております。
余談ですが、終演後に10月公演のチケットを売っていたので迷わず購入しました。
手売りチケット買うの何気に初めてでちょっと嬉しかったです。
いい経験をしました。